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事務局長の事務局便り

2010年4月2日の事務局便り

ストライキも辞さない国

毎年、3月は日本の労使関係にとっても重要な月ですが、今年の3月はスウェーデンの労使にとっても重要な月でした。日本では、毎年春闘というかたちで、賃金交渉が行われますが、スウェーデンでは、3年おきに産業レベルで賃金交渉が行われます。

去年の11月に向こうの金属産業の人とメールした時に、気を利かせて来年の交渉ラウンドは、2.7%程度の賃上げ要求(時担当を含む)で行くつもりだと教えてくれた時に、2007年は賃上げ要求は、4%近かったような覚えがあったので、それに比べると、控え目になったんだな、という印象を受けていました。かなり低めの水準を設定した、というのが産別組合の本音だろうなと、思っていました。

通常なら3月には、Web上で妥結された賃上げ率などが公表されるのですが、今年はされなかったので、けっこうタフな交渉ラウンドになっているのだろうと予想していたら、事実そうなっているようです。まだ、新しい協約が締結できていないようです。

2010年3月31日に協約期限が終了するので、結局今年の交渉ラウンドは、期限の終了までに、新しい協約を締結することができなかったようです。これは、十数年ぶりの事態ですので、もしかすると、この出来事をもって、新たなスウェーデンモデルの崩壊、というキャッチコピーが生まれるかもしれません。それを言うことが、重要なことなのかどうかは、少し疑問を感じますが。

このままいくと、何らかの争議に発展する可能性もあるようで、現代において、しかも先進国の中で、まだそういう国があるという事実に、少し奇妙な思いがしています。

国の国際競争力は維持すべきだし、そのために、適切な賃上げ水準というものを維持しなくちゃいけない、とか、うまく他の産業ともコーディネーションしているとか、とかく表面的にはそういうことを言うのですが、やはり、暴れるときは、暴れるというこの国の組合に、あらためてスウェーデンらしさを感じます。

投稿日
2010年04月02日
投稿者
Web担当者
URL
http://www.kiiir.or.jp/letter/2010-04-02.html

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